2021年2月4日木曜日

顔写真だけで認知症が分かるの...

先日、興味深いニュースがありました(1月26日)。

「認知機能が低下した患者を顔写真で見分けるAIモデルを開発」

東京大学医学部附属病院老年病科と東京都健康長寿医療センター放射線診断科の共同研究によるものでした。

認知症の正確な診断には、種々の検査が必要で、MRIなどの形態的な検査はもとより、PETのような高額な機器が必要であったり、侵襲的な髄液採取なども行われることがあります。

そのような点では、顔写真1枚で、認知症がある程度分かるとなると、簡単にスクリーニングができるという意味では、画期的です。

見た目年齢は、結構実年齢と異なることがあります。皆さん、若く見られたいというのも、見た目の年齢を若くすることが出来るからでしょう。老化が進んでいる方は、いわゆる老けて見える、という事があります。認知症の方も老けて見えることが多い。そのような背景があり、人工知能(AI)を使って、顔の写真から認知機能低下を見つけ出すことができるかどうかを調べたとのことです。

なんと正答率は約9割。高い精度で認知症かどうかの判断ができるということです。

面白いのは、顔の上半分よりも下半分のほうが、正確に認知症の判定がしやすい、ということですが、上半分で好成績とのこと。ということは、目と頭(頭髪?)の部分だけで、認知症が分かる。AIは一体目の何を見ているのでしょうか。

今回は、正面だけの顔写真で判定でした。いろいろな角度からの写真や、ある表情をしてもらうなどで正確性が上がるだろうというようなことも書かれていました。

認知症の方は、表情が乏しいとか、視線が定まらないとか、なんとなく認知障害のない方とは異なる表情があるような印象はありました。その顔つきを人工知能に判定させるという発想がすごいですね。私たちは、認知障害の患者さんについて、もの忘れの程度や脳機能の検査ばかりに気を使ってました。

今後、更に精度が上がってくれば、認知症の早期発見にもつながり、早い段階で治療ができるようになるかも知れません。

Aging 論文

ニュースソース 【1】【2】

院長


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初めまして! 菊地です。

 2月から入職しました作業療法士の菊地です。 これまで回復期病棟やケアミックス病院を経て、脳血管疾患や整形疾患、神経難病の方々などの在宅復帰に携わってまいりました。退院後に訪問リハビリを担当する機会もあり、退院後の生活支援の重要性を感じ、今回の入職に至ります。 家での生活は家...