2001年に片頭痛の特効薬として、トリプタン製剤が処方できるようになりました。この薬剤はセロトニン受容体に作用して、片頭痛で拡張した血管を収縮させる、血管の炎症を抑えることで、頭痛を鎮静化します。有効率も高い反面、副作用として、のどや胸部、肩などの圧迫感、締め付け感などがありました。また血管を収縮させることから、心筋梗塞や脳梗塞の既往のある患者さんには使用できませんでした。
最近、神経伝達物質で片頭痛の引き金として重要な役割を果たすCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)が注目され、これを標的とした抗体、あるいは、この受容体を標的とした抗体が開発されています。トリプタン製剤が使いにくい、あるいは効果が不充分な患者さんに恩恵をもたらす可能性があります。頭痛専門医としても、有効性に期待するところ大です。
院長
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